リヤドロ高価格帯 (100,000~300,000円)

リヤドロは価格に比例して質感・色合い・表情・リアリティのスケールが上がります。低中価格帯でリヤドロが表現する世界観にハマってしまった方はより緻密で技術的な作品を求めているに違いありません。本価格帯の作品にはこれまで紹介した表現力に加えてディテールにまでこだわったものが数多く存在します。また、複数のモデルを題材にした作品も増え日常の表現の幅が無限に広がっていきます。サイズも価格に比例している傾向があり、大きい作品では約H30×W30cm程度になるものもあります。

リヤドロには動物と女の子の組み合わせの作品は数多く存在します。作品「おさんぽしようね」では青いカチューシャをした女の子が子犬にお揃いの色のリボンをつけて散歩の準備をしている様子を表現しています。作品「仔犬たちの行進」では女の子が2匹の犬と5匹の子犬(中央に仰向けになって遊んでいる子がいます！)を連れて散歩している様子が表現されています。この2作品では女の子と犬を題材にしている点では類似していますが、服装から普段の暮らしぶりが異なることが伺えます。のどかな街で暮らしていている女の子と洗練された都会で暮らしている女の子に見えませんか？同一の題材でも全く異なった雰囲気の作品を楽しめる点もリヤドロの魅力の一つではないでしょうか。

リヤドロには作品「おさんぽしようね」でも見られた花車を用いた作品が多く見られます。その中でも代表的な作品が1974年発表「花車」です。リヤドロの中でも人気で代表的な作品で筆者の自宅にも並んでいます。夏用の麦わら帽子を被ったオーバーオールの男の子が花で一杯の手押し車を押しています。ポケットのハサミで積んだ花を運んでいるのでしょうか？地面や手押し車の側面にまであふれている点にも注目です。鑑賞する角度によって新たな発見がある作品がこの価格帯からは目立ちます。

シーズナルイベントを題材にした作品もコレクションやプレゼントに人気です。作品「ツリーを飾ろう」は1992年登場以来クリスマスを彩る作品として人気を博しています。女の子が飾りを渡して高いところに飾り付けをしている様子に見えます。足元にはモールの入った箱があり、ツリーは完成間近であることも伺えます。同様にツリーメインの「天使からのプレゼント」は同デザイナーJoan Coderchの作品です。